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最終更新日:2017/9/1

料理教室&BistrotRIANT-りあん-東京目黒区中目黒(東京都目黒区)

銀座ろくさん亭での日本料理修業を経て、パリで本場のフランス料理を学んだシェフ川名の料理教室

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愛される料理=料理と人生をおいしくする秘密=

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ちいさい秋 Vol.1197
2010/10/8 9:28 UP

料理教室&BistrotRIANTのメールマガジンです。
料理人・川名克典の料理セミナーでは伝えきれない
技術の裏に隠されているものを書いています。


それは、料理と人生をおいしくする秘密そのもの・・・。



  室温二十六度・・・。

  長袖のトレーナーを着て、とても居心地がいい。
  湿度も高くないのだろう。
  最近はいつも肌がサラサラしているからシャワーに入りたい
  って余り思わず、つい忘れる。
  半月前には考えられないほど・・・。

  食欲の秋、読書の秋、運動の秋・・・とはよく言ったものだ。
  何をしても気分がいいのだから。
  
  料理を作るにも都合がいい。


  作り上げてそのまま置いといても、すぐに傷まない。
  作り上げてそのまま置いていても、ちゃんと冷える。
  野菜を冷蔵庫に入れなくても、余り傷まない。

  魚を洗う水がそれなりに冷たい。
  火を入れて美味しい果物が並び始める。


  肉も魚も本来なら、沢山の変化が見られるだろうけれど・・・。
  殆ど養殖、飼育されているものばかりだから、果物ほど変化を
  感じられないかも知れない。
  果物も輸入物ばかり追いかけていると、年中同じものしか見え
  ない。バナナ、パイン、オレンジ、レモン、キウイ・・・。
  

  変化が乏しくなったとは言え、八百屋の軒先には旬の果物が並
  ぶ・・・。スイカは殆ど見かけないし、メロンや苺も・・・。
  みかんもあまり見ない。
  桃、梨、無花果もそろそろまばらになり、葡萄、柿、洋なし・・・。

  先月から洋なしを探してるのに、今年はなかなか出そろわない。

  野菜も、露地物は今一元気がない。
  猛暑の影響が続いている。

  僕の大好きな長葱がいつまでたっも旨そうにならない。
  どんな食材でもそれなりにいいところはあるし、それを見つけ
  るから何とか料理は作れるけれど・・・。


  やはり、その時存在感のある素材を使いたくなる。
  パリッと艶よく育った葱や蕪やアスパラガスや・・・。
  つい手に取りたくなる。

  そして、ゆで上がった、焼き上がった湯気の立つ香りと味が僕
  の前に現れる。

  フランス料理の大御所、ポール・ボキューズ氏の十八番・・・。
  「市場の料理」はそんな料理人の気持ちから生まれたのだろう。


  河岸に行けば、メニューを作れるという料理長は多い。
  素材の「気」が料理人の「気」に応えるのだと思う。
  素材の「気」はそうじゃない人が見ればなにも応えない。
  あくまでもある種の「気」を送った人に応えるだけだ・・・。


  「見えないものを見る」と言うのが、そこにある。
  
  それは例えば・・・。
  道具、機械の様な無機質のものでもある。
  ガスコンロに火をつける時、自動着火でつく、つかない。
  PCを使ってフリーズする、しない。
  車を運転して・・・。
  扉の鍵を開けようとして・・・。


  道具を巧く使いこなす人とそうでない人。
  勿論使いこなしている人が上手くゆくのは当たり前だけれど、
  じゃあ何故だ?


  対照物は同じだ。
  違うのは、それを操作しようとする人が違うと言うこと。
  それを解らないと、いつまでも何故?となる。


  「何でお前がやるとうまく行くんだよ・・・」
  「ブツブツブツ・・・・」

  そして最後に、イライラしてくる。
  


  そんなときうまうくいっている人に聞いてみればいい。
  「ねぇ、イライラしながらやっている?」
  多分答えは「NO」だ。


  ちょっと見ただけでは見えない何かをしている。
  それを聞いてもすぐに変わらないかもしれない。
  彼はそれを感じるのに十年かかったかも知れない。
  だから、やっぱり十年かかるかも知れないけれど・・・。
  
  その違いを知ることが、きっと大切なことだと思う。
  そして、知ったなら・・・。
  ほんの少し人生が変わるかもしれない。
  「僕もそうなりたい」と思った刹那・・・。

  後は、そう思えた分野で、その違いを感じるまで学べばいい。
  いつの間にか、人と違う何か感じる人になる。
  人が見えない何かを見ることが出来る。




  「素材が教えてくれる」って・・・?
  葱や人参やセロリが本当に喋る訳じゃない。
  他の人に見えない何かを見ることができる人が、今、目の前
  に置かれている素材に語りかけて、自分の中から答えを見つ
  けている。
  
  それを「素材が教えてくれた」と言って間違えは無いけれど
  超・現実的に言えば、自分の経験や、感覚や、好みや、体調
  や、気温や、季節や・・・。
  それらが単純に、そして複雑にからみ合って答えを導いたと
  いう事。


  どの分野でそうなりたい?
  何の世界の見えないものを見えるようになりたい?


  色、音、光、土、水、火・・・。味。
  海、山、川、大地、振動、動作・・・・。
  言葉・・・。


  全ての事は自分の発した「気」に呼応する。




  遠い昔、子どもの頃きっと本能で感じていたのに、いつの間
  にか封印しているものがある。
  そこにちょっと触れてやると、魂が喜ぶ・・・。
  秋は、そんなことが起きるかも知れない。



  ちいさい秋を感じたら・・・。
  残された時間の生き方を、変え始める人もいるだろう。
  

今日も、新しいインスピレーションを求めて・・・。
引き寄せる一日でありますように。 (^ー^)v

そして・・・
いつも 「ありがとう」
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先生情報
川名克典
川名克典

多摩美建築学科入学後、陶芸の勉強を始める。
80年 ろくさん亭(銀座)
88年 ジャック・カーニャ(パリ)
89年 キャフェ・セルクル(パリ)ミッシェル・ショーダン(パリ)
90年 ラ・シテ(ニューヨーク)
91年 キャーブドルオ(パリ), 帰国
92年 料理教室「エミーズ」(青山)料理長
95年 RIANT(代官山)


教室からのお知らせ

2013/1/16

2013年1月14日より、シェフ&講師の川名が新たなチャレンジをしております。

新たなチャレンジとは、川名が18年前から毎日書き留めている料理小説をブログで毎日少しずつ紹介。このブログをFacebookで発信するというもの。

「料理を小説で学び(感じ)、料理を愛して欲しい」

これが川名の願いであり、この取り組みをスタートした理由。是非、川名が実体験を活かし描く、「料理小説」をお楽しみください。

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Facebookページには教室の料理レシピ写真24ヶ月分をUP中!是非ご覧頂ければ幸いです。


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