基本の共立てスポンジ ジェノワーズ
by. 井田ようこ先生
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スポンジ生地の作り方は2種類あります。全卵で泡立てる「共立て」と、卵黄・卵白を別々に泡立ててから合わせる「別立て」です。
まず、ショートケーキの土台に使ったりする「共立てスポンジ」の作り方。
卵と砂糖と小麦粉だけで作れますが、美味しくするために無塩バターや牛乳を加えます。
型の準備や計量、オーブンの予熱と言った下準備をしっかりしてから卵の泡立てを始めましょう。
材料 分量:直径15cm × 高さ6cm 1台分 調理時間:調理30分.焼成時間約25分
作り方
1
材料の計量をします。卵は早めに冷蔵庫から出して、室温に戻して下さい。卵は直径21cmくらいのボールに割入れます。バターと牛乳は一緒に小さめのボールに入れます。
2
型の準備をします。サイドの紙を入れてから、底の紙を入れて底紙は中途半端な位置で止めます。こうすると焼き上がった後生地を取り出しやすくなります。オーブンを170〜180℃に予熱します。
3
薄力粉をふるいます。やや高めの位置からふるい落として下さい。粉の粒子がバラバラになって、混ぜやすくなります。
4
粉ふるいに残っただまは、軽くつぶして全部ふるい落とします。
5
計量した容器にそっと戻します。容器に入っていると、粉を加える時に楽になります。バターと牛乳を湯煎にかけ、使う時に熱々の状態になるよう準備します。
6
まず卵を十分にほぐします。ハンドミキサーを使うときは、低速でほぐして下さい。よくほぐしてあると泡立ちやすくなります。
7
砂糖を一度に加えます。砂糖は、グラニュー糖、上白糖などを使います。どちらでも美味しくできますが、焼き上がりは少し違います。(最後のコツ・ポイント*!をご覧ください。)
8
室温が低い時期や冷蔵庫から出したての卵を使うときは、卵液を湯煎で温めますが、必ず砂糖を良く溶かしてから。お湯の温度は50〜60℃。卵液をハンドミキサー低速で撹拌しながら30℃位に温めて下さい。(*2)
9
ボールの底に触って金属の冷たさがなく、ほんのり温かければ湯煎からはずして十分に泡立てます。
10
ハンドミキサーのスピードを徐々に上げて、ゆっくりとボール全体を撹拌します。ハンドミキサーを使っても泡立ての終了までには、7〜10分かかります。
11
徐々に泡立って来ました。でもまだ不十分。
12
かなり体積が増え、白くきめ細かくなってきました。
13
ハンドミキサーの羽跡がしっかり残るようになり、生地を10cmくらいの高さからたらしてみて、リボン状に落ちれば泡立ての終わりです。
14
最後に肌理そろえをします。ハンドミキサーを低速にし、羽根をまっすぐに立てて浮かし、生地の中に1cm程度入っている位置でゆっくりを表面を10周動かします。大きな泡が無くなりクリームのような状態になります。
15
薄力粉を2回に分けて加えます。粉はやや高めの位置からボール全体に散らすように落とします。
16
粉を合わせます。ボールの底からゴムベラで生地をすくいとって持ち上げます。
17
ゴムベラの反対側から真ん中に落とします。
18
一回ごとにボールを少し動かし、一周するまで同じ作業をします。最初の粉が残っている状態で、残りの粉を加えます。一度目と同様に合わせます。
19
粉が見えなくなったあと、生地につやが出るまで同じ作業を繰りかえします。こうすることで、卵の泡の周囲に粉が均等にまんべんなく入り、肌理の細かいスポンジになります。
20
バターと牛乳を加えます。バターと牛乳が熱々に溶けたボールに、粉の入った生地を同量程度加え、しっかり乳化するまでゴムベラでぐるぐると混ぜます。
21
まだ混ざっていません。
22
乳化しました。
23
生地に加えます。ボール全体に流します。
24
やさしく、素早く、丁寧に合わせます。
25
ムラなくきれいに合わさったら(ボール2〜3周で終わるようにするとベストです)、ボールを払います。
26
準備した型に流します。低めの位置から、できるだけ速く全部を型に入れます。
27
最後の生地を入れると、状態の違う部分が表面に残ります(死に生地と言いますが、これも大切な材料の一部です)。ゴムベラを寝かせてくるくると軽く表面をなでて、ムラをなくします。
28
型に流し終わった状態です。予熱したオーブンにこのままそっと入れます。生地の表面が乾いてきて膨らんでくるまでに、約10分かかります。しっかり膨らみ焼き色が入ってきたら、180℃前後の向きを変えます。
29
25分〜30分で焼き上がりです(*3)。きれいなきつね色になり、表面の真ん中を触って柔らかい弾力があれば終了。オーブンからそっとだし、10cmくらいの高さからポンと型を落とします。
30
網の上などで型をひっくり返します。スポンジはゆっくりスーと落ちてきます。
31
10時と2時くらいの位置でスポンジ底の端をつまみ、ポンと上下を返します。そのまま粗熱がとれるまでおきます。しっかり冷めたらラップなどに包んで、一晩寝かせるとよりしっとりします。
32
一晩おいた物です。
33
おまけの画像です。スポンジを出した後の型です。どこにも生地がくっついていません。紙の入れ方でこのようにスポンジを取り出すことができます。
★ 調理のコツ・ポイント
一番大切なポイントは、「楽しくルンルンな気持ちで作ること」です。作っている時に楽しいと、必ず良い結果が出ます。あとは卵を泡立てる前に準備を怠りなくしておくこと。計量や下準備、調理、片付けまでが、全部お菓子作りの作業です。ですから調理時間は全作業時間の1/3程度。卵を泡立て始める前に工程を一度しっかり読み返して、調理に入って下さるとスムーズに良いものが出来上がります。
*1:グラニュー糖だと焼き色はやや薄く、切れの良い甘さのスポンジになります。上白糖だと焼き色は やや濃く、しっとり感の強いスポンジになります。
*2:温め過ぎに注して卵液の温度は30℃くらいまでにします。人肌の温度まで温めると泡立ち過ぎを おこしやすく、肌理の粗いパサつくスポンジになりやすいです。
*3:生地が一番膨らんだ状態から少し低くなったときが、焼き上がりです。焼き時間は季節によって5 分前後変化します。オーブンに入れたときの生地温度の差で焼き時間が変わります。
このレシピへの感想
レシピ制作者 |
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井田ようこ |
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少食でアレルギー体質の子供のために、安全でおいしいお菓子や料理を作りはじめる。お菓子教室に通った後、横浜の洋菓子店で修行。東京都町田市に「パティスリーアン」を開店。洋菓子の製造販売と同時に、教室をはじめる。その後、専門学校講師を経て、自宅教室を開催。現在、自宅における少人数の洋菓子・料理・パン・シュガークラフト教室を行うとともに、「国際フード製菓専門学校」「ヒューマンアカデミー」の講師を務める。 プロフィール詳細をみる |
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