今年もシュトーレンを焼きました。
毎年一番はじめに焼くシュトーレンは、レッスンの試食用です。シュトーレンとベラベッカだけは、予め焼いて数日置いた物を試食としてお出ししています。それ以外のレッスンでは、レッスン時に私が実演作った焼きたてをご試食いただきます。
ラム酒などに漬けたフルーツ漬けの香りとスパイスの香りが立ちこめて、幸せな気持ちになります。クリスチャンでもないのに…と思いながらも、作りながら今年のあれやこれやに思いを馳せたり、来年のことを考えたりする時間はとても良いものですから、シュトーレンはありがたい存在です。
シュトーレンというと、「大好きなので毎年どこかで買う」という方もいらっしゃる一方で、「食べたことがない」「くどいから好きではない」という方もいらっしゃいます。かくいう私も、「好き」と思いながらも買う度にがっかりすることが多かったので、自分がたくさん食べたいシュトーレンを研究した結果のレシピです。
バターというもの自体はとてもありがたく、それにしか出せない味わいはあるので、バターを使ったパンで大好きなものもいろいろあります。ただ、シュトーレンに関しては、バターでも作ってみたものの、今のバター不使用がしっくり来ています。
さらにシュトーレンと言えば、溶かしバターの「お風呂」にドボンと漬けて、白い粉砂糖をたっぷりまぶさないといけないと思われがちですが、実はそうではありません。それをしないとカビが生えて長持ちしないというわけではないのです。もしかしたら条件によっては必要かもしれませんが、多くのシュトーレンがそうなっている理由は「カビ防止」では無いとも考えています。私のシュトーレンは、バター不使用で、表面を砂糖まみれにしなくても数ヶ月持っています。置くほどに味が変化するので、どの段階がおいしいと思うのかお好みはそれぞれだと思います。11月に作ったものを、春になっても食べたりします。このあたり、詳しくはレッスンにてお話ししています。
また、フルーツ漬けもシュトーレンの大事な要素の一つ。これによって、シュトーレンの味わいが全く変わってきます。時々、「予め漬けておきたいからやり方を教えて下さい」と言われることもあるのですが、実はここもレッスン内容として重要なので、その時のお楽しみとお伝えしています。一通りだけではないので、フルーツ漬けだけで10分以上は語っちゃいますし、そうなるとあれこれ質問をいただく事も多い部分です。
今年のフルーツ漬け、かなりいい状態です!!どうぞご期待下さい。
単にレシピ通り作るだけでなく、1回のレッスンで作るパンが幾通りにも発展するよう、基本+多様な展開をお伝えするレッスンをめざし、手作りならではの要素を盛り込んだレシピを開発。
6つのパン教室に通い、単発の教室やパン屋さんの講習会などにも多数参加。パン以外からもインスピレーションを得ながら、手軽さと一手間かけることの両面から、おいしいパンを作ることと、教えることの両面から研究を重ねる。
2013/7/3