たらば蟹のキッシュ 〜パイ生地をサクサクに

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最終更新日:2022/6/16

グルトンベール  クッキングサロン(東京都新宿区赤城下町32小高ビル1F)

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たらば蟹のキッシュ 〜パイ生地をサクサクに
2023/12/30 17:52 UP

フランス・ロレーヌ地方の定番お惣菜「キッシュ」ですが、今回ご紹介するのは、グルトンベール年末恒例のたらば蟹を使った贅沢なキッシュ。レストラン時代から改良を続けて作り続けてきたレシピです。
 
お惣菜屋さんのキッシュと違って、卵が少なくクリーム多めなので、フワトロ。
パイ生地も丁寧に下訳することでサクサクに上がります。
 
*パイ生地(パータ・ブリぜ)の作り方はテキストのみですが、最後にご紹介します。
 

材料:
・パータ・ブリゼ 約250g
 卵黄 1個
 
・アパレイユ
 全卵 1個(60g)
 卵黄 2個(40g)
 生クリーム35% 250ml
 牛乳 150ml
 塩 2.5g
・具材
 たらば蟹 120g
 玉ねぎ(スライス) 60g
 無塩バター 15g
 コニャック 少々
 ほうれん草(下茹でしたもの) 50g
 ナチュラルチーズ(シュレッドする) 120g
 ハーブ(セルフィユ、ディルなど。微塵切り) 適宜
 ナツメグ 少々
 ピメントバスク 少々
 
 
◾️パイ生地を下焼きします。

型にバターを塗っておきます。
パートブリゼは2.5㎜厚に伸ばして型に敷き、生地にフォークで穴をあけ1時間以上冷蔵庫で休ませます。
お店では、前日夜に用意して、翌日の朝焼き上げてます。休息が足りないと生地が縮みます。
ちなみに型は陶器のものを使ってます。
 

卵黄1個に、水少々(2.5ml)を加え時ほぐしておきます。
 

休ませた生地の上にアルミホイルかクッキングシートを敷き、タルトストーン(重し)を乗せて、
 

190℃のオーブンで20分焼きます。
*タルトストーンは、たっぷり乗せてます。
 

重しをはずしてさらに5分焼きます。
 

焼きあがった生地の底と側面に卵液を刷毛で塗り付け、
 

パイ生地の全体を卵でコーティングします。
 

3分ほど焼きます。これで、アパレイユがパイ生地に染み込みにくくなりますのでパイ生地がサクサクに焼けます。
 
◾️パイ生地を焼いている間に、アパレイユ(卵と牛乳・クリームの液体)を作ります。

全卵1個と卵黄2個で100gにします。足りない場合は、卵白を加えて調整します。
 

卵を解きほぐし
 

塩と、生クリームと牛乳を加えよく合わせますが、泡立てないように。
 

シノワで漉します。この作業は卵料理全般に、仕上がりを滑らかにするの必須工程です。
 
 
◾️具材を用意します。

フライパンを中火に掛けてバターを加え、泡だったら玉ねぎを加えてソテーします。
 

玉ねぎが軽く色づいたら蟹の身を加えて強火でソテー(カニの水分を飛ばすイメージで)し、コニャック少々を振ってフランベします。
*グルトンベールはIHなので火はつきません。
 

ボールなどに取っておきます。
 
 
◾️最終焼き上げの工程です。

下焼きしたパイ生地に、カニを並べます。カットしやすいように真ん中を開けておきます。
 

チーズの1/4強を残して全体に載せます。
 

ほうれん草をちらして、
 

アパレイユを流し込みます。溢れそうなら諦めて残しましょう。
 

ハーブの微塵切りを散らし、
 

残りのチーズを乗せて、ナツメグとピメントバスク(バスク地方の唐辛子)を散らしてます。甲殻類にはピリッとした風味が相性が良いので、ピメントバスクを使ってますが、パプリカのパウダー、白胡椒でもOKです。
 

アパレイユがこぼれないように水平を保ってオーブンへ。一番緊張するシーンです。
180℃で35−40分焼きます。
 

全体が持ち上がって来たら焼き上がりです。
 

冷蔵庫でしっかり冷ましてから切り分けます。
 
温めるときは、180℃のオーブンかオーブントースターで10~12分温めます。電子レンジにかけると折角のパイ生地がくたくたになるので絶対お勧めしません。
*冷蔵で3~4日日持ちします。
 
 
ちなみにチーズはデンマーク産のサムソーかマリボーチーズを使ってます。キッシュ・ロレーヌはグリエールを使うのが常道ですが、香りが強く甲殻類の風味を邪魔するので、優しいチーズをお勧めします。
 
 
【パート・ブリゼを作る】
他のレシピと大きく違うのは、バターをチーズ卸しでシュレッドチーズのようにシュレッドすることです。バターは小豆大にカットするのが一般的なレシピですが、小豆大だとバターと粉をすり混ぜる間にバターの温度が上がり易いです。シュレッドすることで、バターと粉がサラサラに合わせられます。
バターをシュレッドしたら、バットにふんわりと入れて、冷蔵庫でよ〜く冷やしておきます。他の作業を開始する30分以上前に取り掛かりましょう。

 
材料:
薄力粉 150g
無塩バター 75g
卵黄 1個(20g)
水 30ml
塩 1g
 
作り方:
小麦粉は振います。卵黄と水を解きほぐし塩を加えてよく混ぜます。バターはシュレッドし、材料は全て冷蔵庫で冷やしておきます。 面台で小麦粉とバターを手ですり合わせます。砂状になって全体が黄色くなったら、山にします。山の中央をくぼませ、卵液を入れます。
粉をスケッパーで上からかぶせながら、手のひらで押さえます。練らないように注意しながらこれを繰り返します。 生地がある程度まとまれば、スケッパーで半分に切って重ね、手のひらで押さえて。これを全体がまとまるまで繰り返します。
ラップで包んで冷蔵庫で1時間以上休ませてから使います。
*生地は冷凍できます。多めに作って冷凍しておくと便利です。  
 
 
 

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先生情報
野原正哉
野原正哉
料理人   

フランス料理を独学で習得し1990年下北沢でビストロを開業。以後、渋谷、青山、神楽坂でフレンチとワインのマリアージュを提案するレストランを営業するも2016年8月閉店。一方2016年1月に、ワインショップ「クオリティワインブティック グルトンベール」を開業し、2017年2月より料理教室を開設、レッスンは300回以上開催、延べ2000人以上の参加者をお迎えてしている。

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