北海道から三陸に下りてきた頃の秋鮭の筋子は今が旬。
水揚げ後お腹を開いてすぐに発送してくれるので、お店で買うのとは鮮度が違う。仕事の休みに合わせて届けてもらい、御節レッスンと年末の御節作りの為に、鮮度命、時間勝負とばかりに、いくらの醤油漬けを仕込む。
鮮度が良いと筋子の膜が強くて、網に押し付けて少々力を加えても潰れない。卵が落ち着く海水程度の塩水を網の下に準備し、網からポロポロ落としていく。海水程度の塩水で処理すると、ピンポンの様な硬い皮のいくらにならずに、程よく弾けるのです。
出来立ての日のみ、息子には好きなだけのいくら丼を食べさせる。
毎年の恒例行事だけど、息子は昨日珍しく、「なぜ暖房を切って作業するのか」とか、「膜が無くなるまでなぜ何度も洗うのか」とか、「スプーンで混ぜても潰れないのか」と色々質問してきてました。命あるものをこうして口に出来るありがたさ。少しだけでも知るきっかけになるといいです。
幼い頃から食に対しての強い関心があったことと、国内航空会社で客室乗務員として働いていた頃に各地の美味しいものを食べ歩いて知った食の深さを、結婚後家庭料理に活かすべく料理を追求する。2011年自宅で料理教室を始める。2012年クスパアワード3位受賞、2013年クスパアワード2位受賞。