チカップお米パン教室
- フォロー
- 送る
- この教室へ問い合わせ
- 予約レッスン無し
- 秋田県
- の教室
マーガリンは、本当に危険な油?
長谷川 理乙 先生のブログ 2019/6/2 12:43 UP
-
こんにちは
まずは、マコモダケの苗、差し上げます。の記事。
増えたので、(送料を御負担いただきますが)差し上げます。
育てやすくて、楽しいですよ。
今日は、マーガリンの事や植物油のトランス脂肪酸の事を。
写真なし、試作パン紹介無しの長文記事です。
普段食べている油について関心のある方は、のぞいてみてください。
「トランス脂肪酸は、プラスチックと構造が似ている」
「マーガリンは、トランス脂肪酸の油なので、危険」
あっているようで、現状はちょっと違うな、と思う事もあるので、書いてみます。
まずは、
トランス脂肪酸。
①実はいろんな種類があって、自然界にもある物質なのです。
牛乳、バターにも少量含まれています。
ひとからげに、「トランス脂肪酸が危ないから、避ける」となりますと、
「マーガリンは危ないから、バター使ってます」では、
トランス脂肪酸を避ける事はできません。
②「マーガリン以外にも、固形油でない植物油にも、トランス脂肪酸が
含まれているものが多い」
植物の種から油を取り出すとき、高温高圧にします。
その時、トランス脂肪酸が生まれるのです。
市場で販売されている植物油は、たいてい大量生産の為に高温高圧で
作られているものです。サラダ油と言われている複合材料のもの、米油など原料が単一のものでも同様です。
(更にヘキサンという有害溶剤を用いて、効率よく絞り出すので、安価な油が
可能になるのです。)
この油は、お店で買うお惣菜、外食、家庭でも普通に使われている油です。
なので普通に生活していると、この植物油によるトランス脂肪酸を避ける事は
できません。
③部分水素で固形化した、トランス脂肪酸対策のないマーガリン、ショートニングは、スナック菓子、冷凍食品の揚げ物などに使用されている事が多い。
これらを食べる方は、トランス脂肪酸を避ける事はできません。
つまり、
「マーガリンを使わない」という対策だけでは
トランス脂肪酸を避ける事はできないのです。
しかし、日本人はマーガリンのみにフォーカスしたような、
「マーガリン=トランス脂肪酸=体に悪い」という認識があるようです。
現在マーガリン業界では、トランス脂肪酸を生み出す「部分水素添加」、それをしない
マーガリンを売り出していますね。
生協とか自然食品店の特別なマーガリンではなく、普通のスーパーに売っている普通のマーガリンは、部分水素無添加のものが多いです。
調べてみてください。
このマーガリンに含まれているトランス脂肪酸は、原料のバターに含まれる自然由来のものと、
植物油の製造工程で生まれるものに由来します。
バターは食べるのに、植物油は食べるのに、マーガリンだけは危険と思うのは
不思議な気はします。
まあ、それでもマーガリンだけに対する風あたりは、根強いようですね。
まとめますと、普通に生活していると、人工的に作られる
トランス脂肪酸は、マーガリンだけでなく、いろんな油や食品に含まれているものを、口にしているのです。
そして、
現在のマーガリンは部分水素が無添加が多く、それによる
トランス脂肪酸は、入っていなくて
普通の植物油と同レベルの安全性です。
現状を知らずに、マーガリンだけを食べないように
注意を払っても意味がない。
いろんな油がある中で、もしできるなら、昔ながらの作り方で作られている
低温圧搾油、コールドプレス、玉じめ油、ヘキサン溶剤不使用の油が選べるなら、それに越した事はない、とは思います。
私の場合は、手に入りやすいのでコールドプレスのオリーブオイルを最近は使用しています。
しかし、普通に生活していると、いろんな油を私たちは摂取することになりますね。
自炊だけでない場合、ある意味仕方ないかも。
水も、空気も、野菜も、全てに通じるのですが
身近なスーパーなどで、普通に生活していて、よりよいものが当たり前に購入できるようにならないといけないと思います。
溶剤などによる製法がなかったときは、みんな昔ながらの安全な油を使っていて、普通に生活していても、そんなに心配な油は売ってなかった訳ですから。
そうなるような一人一人の買い物の選択が、意思表示になって、これからの世界が生きやすくなっていくといいな、なんて思います。
先生情報 |
|
![]() |
長谷川 理乙 |
秋田大学卒。食品微生物学専攻。公立中学で10年教員。リマクッキングスクールでマクロビオティックを学ぶ。師範科修了。自然食料理教室主宰。一年間NHK秋田で料理コーナー担当。子育てを経て米粉パンに関心を持ち、独自に研究。わかりやすく、丁寧な教室をこころがけています。 プロフィール詳細をみる |