フォン・ブラン 〜基本の出汁
野原正哉 先生のブログ 2023/10/21 14:36 UP-
フレンチの基本の出汁、フォンブラン。
フォンは出汁、ブランは白いという意味なので、白い出汁ですね。基本は鶏を使いますので、フォン・ド・ヴォライユ(ヴァライユ=鶏、鳥の出汁)と呼ぶ場合もあります。
レストランでは、丸鶏(親鳥を使います)や鶏ガラを使いますが、今回は手羽先を使い、手軽に且つ時短できるレシピをご紹介します。
手羽先は、コラーゲンが多いので、意外と旨味の濃いフォンが取れます。フォンを取った後の手羽先は、サラダやパスタの具材や、リエットに加工したりと無駄なく使えます。
材料:仕上がり 約1L
・鶏手羽先 600g
・玉ねぎ 200g
・人参 150g
・セロリ 75g
・ニンニク 2片(10g)
・長ネギ 100g
・白コショウ 10粒
・クローブ 3粒
・タイム 1枝
・ローリエ 1枚
・水 1.2L
・塩 5g
*長ネギは青いところで大丈夫。セロリはシェフによっては使わないので省いても構いません。
作り方:
①玉ねぎは皮を剥いて半割か1/4割、人参は良く洗って半割、セロリ、長ネギは洗って鍋に入れやすい大きさに切ります。ニンニクは皮付きのまま。
②鍋に手羽先、水をヒタヒタに入れて(分量外)強火に掛けます。沸騰して、アクがたっぷり出たら、ざるに取ってぬるま湯でアクを洗い流します(冷水だとアクや脂が固まって落ち難い)。
③圧力鍋に②の手羽先、①の野菜、塩以外の残りの材料を入れて中強火にかけ、圧力が掛かったら弱火にして15分加熱します。
*普通の鍋の場合、40分
④加熱が終了し、圧力が下がったら手羽先を取り出し、残ったスープをシノワなどで濾して別鍋に移し、中火に掛けてアクと脂を掬い取りながら少し煮詰め旨みを凝縮させ(1L程度まで)、味を見て塩を加えます。塩の量はこの状態で使う場合、5g前後です。
加熱する(煮詰める)作業についてご説明します。
フォンをたっぷり使う料理の場合は、このまま使いますが、ソースにする場合は、半量から1/3量まで煮詰めたりします。
塩は使う用途によって最後に加えれば良いので、用途が決まってない場合は、塩は加えないで保存します。ただし、塩味がないと味が分かりにくいので、味見するときに味見のスプーンなどにちょっと塩を加えてください。
保存はポットなどに入れ、氷水を当てて出来るだけ急速に冷やし、冷蔵庫で保管します。あまり日持ちはしませんので1週間以内に使用しますが、煮詰めて量を減らしておくと、製氷皿などに流し固めて冷凍保存がし易くなります。使う時は用途によって水でのばせばOKです。
煮詰めた方が、冷蔵保存の場合の保存性も上がります。
【手羽先のリエット】
材料:
・手羽先 フォンを取った残り全量
・フォンブラン 100ml
・塩 手羽先の2%
・黒コショウ 適宜
・ミックスナッツ 15g
・ラードまたは、バター 20g
作り方:
①手羽先は骨、軟骨などを取り除き、重量を計り、重量の2%の塩を用意します。ミックスナッツは荒く粉砕します。フォンブラン10mlを30mlくらいまで煮詰めておきます。
②ボールに手羽先を入れ、擂粉木で潰します。潰しながら、計量した塩、黒コショウ、ラードを混ぜ合わせ、煮詰めたフォンブランを少しづつ入れ濃度を調整します。
ミックスナッツを混ぜ、味を見て塩コショウで整え、容器に入れて冷却します。
バゲットの薄切りなどに乗せて、ボナペティ!
先生情報 |
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野原正哉
クスパアワード2020 新人賞
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フランス料理を独学で習得し1990年下北沢でビストロを開業。以後、渋谷、青山、神楽坂でフレンチとワインのマリアージュを提案するレストランを営業するも2016年8月閉店。一方2016年1月に、ワインショップ「クオリティワインブティック グルトンベール」を開業し、2017年2月より料理教室を開設、レッスンは300回以上開催、延べ2000人以上の参加者をお迎えてしている。 プロフィール詳細をみる |