チカップお米パン教室
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生米パンは、微妙???
長谷川 理乙 先生のブログ 2021/3/21 23:12 UP-
こんにちは
今から1年前、
ブログを始めた当初に書いた過去の「生米パン」の試作記事が、
急にものすごいアクセス数になりました。
それは、数ヶ月続き、何が起こったのだろう?と思いましたが、
どうやら皆さん生米パンの本を読んで、
生米パンブームが起きたようです。
今では、動画を検索すると、たくさんの生米パン動画も
探すことができます。
お米の計り方とか、ほぼ共通しているので、
出典や参考文献などの紹介はなくても、
情報源は同じなんだろうなー、と予想はつきます。
そして「生米パン」といえば、
パナソニックの「GOPAN」が昨年、製造終了になりました。
米粉パンを試作研究している私としては、
もちろんGOPANは持っています。
実は、この機械で最後までパンを焼いたことはないし、
推奨のレシピ通りに配合した事もありません。
が、良い機械だと思います。
片や、ミキサーでの生米パン作りブームが起こり、
片や、GOPANがもうなくなる……。
どちらも米粉パン作りの背景があります。
まずGOPANが無くなるのは、
米粉パン用の米粉のレベルが高くなり、そしてある程度普及してきた事で
GOPANでお米パンを作るよりも、簡単にハイレベルの米粉パンが
作れるようになった事、かと。
やはり米から作るよりも、手軽に米粉パンが作れるとなると、
GOPANの存在価値がなくなってくる、という事でしょう。
そして、ミキサーでの生米パンブームは、
「米粉パン用の米粉が高価」
「白米を炊くように家の米でパンが作れたら最高」
「特別な機械がなくても、本を読んだら、
どうやら家にある高出力ミキサーでも米粉パンは作れるようだ。」
という理由だと思います。
そういう訳で、ここ1年で初めて生米パンに挑戦した人も多く、
にわか「生米パンブーム」が起きているようです。
私のところにも
「自分のうちの米で、ネット情報を見て作っている。
しかし、ねっとりパンにしかならないので、
生米パンを習いたい」
という方が多かったです。
しかし…
「家で食べてるお米で、しかも米だけで、お米パンを作るのは難しいかと」
「パン用米粉は、実は高度な研究を重ねて作っている。
同じような仕上がりを、家庭の生米パンに求めるのは、難しい」
「米粉パンの基礎技術がないと、生米パンを美味しく焼くコントロールが
できず、いつも違う仕上がりになり、難しい」
と思います。
まあまあ、そこそこのお米パンなら作れるけど
米粉レベルに美味しい仕上がりになるか言うと、うーんどうでしょう?
美味しい生米パンを作るには、
お米の知識や、選択、副材料の配合
それなりに高価な設備、
米粉パンをコントロールして製造する技術、
があってできると思うので、
ちょっと言いにくくはあるんですが、
正直、微妙な仕上がりになりやすいのかな?とは思います。
美味しいご飯が作れるお米で、
美味しい米粉パンが作れるか?というと
それもなかなか難しい事でしょうし、
ご飯が水を加えて炊けばできるシンプルさなのに対し、
それを米粉パンに求めるのも、厳しい。
実際、昨年、チカップの生米講座を受けた方。
レッスンを重ねて……
最初に比べて、かなりパンの内相もきめ細かいものができて
パンらしくなり、チカップとしては限界のところまで
作り込めても尚、
まだ「餅っぽい、もっさりする」と満足できない方もいらっしゃいました。
チカップも、魔法のように、改善できるかというと、
お米のポテンシャル、機材の限界、個人の技術の問題もあるので
米粉パンレベルまでの改善は難しい事もあります。
同じ仕上がりの生米パンを食べても、人によりその感じ方はさまざま
「ネッチリパンから改善して美味しい!と思う方」
「米粉より酸化してない新鮮な感じ!と思う方」
「お米パンを初めて食べて、小麦パンとはだいぶ違うな、と思う方」
「他の美味しい米粉パンを知っていて、いまいちだな、と思う方」
「どんな仕上がりでも、自分の作ったものは最高と思う方」
「講座を習ったのだからと、米粉パンと同レベルの食感を求める方」
ですが、
何度も言いますが、お米のパンの形にはなって、そこそこは作れても
研究を尽くして作っている米粉のレベルと、
同等の生米パンを作るには、
相当経験と、相当ハイレベルの機材が必要かと思います。
米粉は繊細なので、
同じ米で、同じ機械で作っても
製粉会社により、違うクオリティになるくらいなのです。
以上の事から、
家庭でのお楽しみ、いうレベルでパンは作れても
それ以上高度なお米パンはどうかなー。
調整力がないと、毎回違う仕上がりになりやすいです。
クオリティは置いておいて、仕上がりそこそこでも、
一から作る事自体を楽しみたい、
という方に、向いている作り方かと、私は思います。
私自身は、もちろん試作として作るときはあります。
基本の食パン、ふわしゅわ食パン、おやき、ベーグル、お皿パン、エピ、カンパーニュなどと、このブログで紹介してきたパンは全て生米で、作れます。
でも
製造販売では、時間もかかりますし対応できないことからも
米粉を使って、お作りしています。
「パン用米粉は高い」
↓
「なら家にある米で自分で作る」
と言うのが主な理由だとしたら……
高いには、それなりの理由があるんですね。
先生情報 |
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長谷川 理乙 |
秋田大学卒。食品微生物学専攻。公立中学で10年教員。リマクッキングスクールでマクロビオティックを学ぶ。師範科修了。自然食料理教室主宰。一年間NHK秋田で料理コーナー担当。子育てを経て米粉パンに関心を持ち、独自に研究。わかりやすく、丁寧な教室をこころがけています。 プロフィール詳細をみる |