ルクールドゥランジュ

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(神奈川県横浜市都筑区)

心の鏡

大山慶子 先生のブログ 2021/7/12 17:10 UP

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もう10年以上も前の出来事ことです。
レッスンの時にいつもお姑さんの悪口をおっしゃる生徒様がいらっしゃいました。


面白おかしく話してくださるので、笑って受け流せる範囲のことで、特段問題にも感じていませんでした。




ところが、あるレッスンの終わり、玄関でお見送りをする際、「お気をつけて」と申し上げたら、その方はまなじりをあげてこちらを振り返り、結構なきつい口調で



「先生まで!私に呪いをかけないでくださいっ!お姑さんといっしょです、私が帰りがけに事故に遭うように呪ってる!」


とおっしゃり、逃げるように扉を閉じてお帰りになりました。


私が「気をつけて」と申し上げたのは、そのままお帰りの道が無事でありますようにというささやかなお守りのつもりでした。しかし、まるで正反対に捉えられてしまったのだと、びっくりしました。


面白おかしく自分のことを嫌って色々嫌がらせをしてくるとお姑さんの悪口をおっしゃっていらしたけれど、もしかしたら、お姑さんにはそんなつもりは全くないのに、悪いように曲解されてしまって拗れているのかもしれないとも考えてしまいました。


女性はとにかく、主観の動物です。嫌だと感じるから嫌なところが目につくし、嫌なことをされると思いがち。嫌いなものはとことん嫌い、嫌な人は持ち物まで癪に触る…。


その方とは別な生徒様に、私自身も、「先生は私に意地悪をする」と言われたこともありました。私にはそのつもりはないと申しあげましたが、「いいえ、私は先生が意地悪で私のことを敵視していることはわかるので先生は嘘つきです」ともおっしゃり、その方はほどなくおやめになりました。


その時は、私なりに何が悪かったのか反省したり悩んだりもしましたが、結局は、お相手の気持ちや物事の感じ方や視点、受け取り方は、その方のもので、こちらからどう働きかけても、「とらえたいように捉え、見たいように見る」という現実があるのみだと思い知り、諦めました。


カウンセリングの勉強をしていた時に、先生にこれらのエピソードをお話ししたところ、先生はお笑いになり、結局、人は人を救えないし、自分で見方を変えない限り世界は変わらないのだと改めて教えてくださいました。


また、「お姑さんの悪口を言っていた人はその人こそがお姑さんを呪っていたんだろうし、あなたのことを意地悪だと言った人はその人自身が意地悪なんだろうね、そういう見え方の鏡の世界にいるんだよ」と、教えてくださいました。


なにか出来事があり、思うところがあったら、とりあえず、起きたことの事実だけをなるべく俯瞰するように確認し、自分の気持ちや受け取り方とは切り離してそれぞれ別個に観察するように心がけたいと、私は日々反省しながら生活しております。

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